彼らは我々がやりたくない仕事をするためにやってきた

昨晩、Lee 首相からのメッセージにショックを受けた人は多いと思う。Circuit Breakerの一月の延長…。当初の終了日である5月4日を心の支えにしていただけにこの発表は相当痛い。しかし、今回は別のことを書くつもりだ。

外国人労働者への支援政策について書きたいのだ。

ここ数週間で外国人労働者の感染者数が日増しに爆発的に増えていっている。やはり侮蔑的な発言を無意識に口にする人がでてくる。
同僚とのグループチャットの中で「彼らは手で食べるから」「衛生観念が私たちと違う」と言う人がいた。もちろん本人は事実を単に話しただけである。こういう社会に緊張状態が走っている時に社会的弱者はものすごく攻撃されやすい。単なる文化の違いが相手を攻撃する材料になりうる。

では本当に手で食べるからコロナにかかりやすいのだろうか?食べ物をシェアするからなのだろうか?

これを判断するためには、外国人労働者が置かれた住環境に目を向けなくてはいけない。ネットをみると結構衝撃的な写真が見れると思う(私が見たのは日テレ)。一部屋に20人ぐらいが寝泊まりし、Social Distancingも何もない状況で暮らし、トイレがめちゃくちゃ汚かった。こんな不衛生な環境で生活しているのも大きな原因なのではないだろうか。

私たちは無意識に情報を取捨選択している。

情報があふれかえる世の中でも自分の意識の持ち方によって拾い上げる情報が違ってきてしまう。

Facebookでこういう公開投稿している人がいた。

彼らがコロナウィルスを持ち込んだわけではない。彼らが海外旅行をし、ウィルスを持ち込んだわけではない。彼らは単にシンガポールに仕事をしに来ただけだ。我々がやりたくない仕事をしに。そして今、彼らは我々の無責任な行動の代償をとらされている。

They were not the ones who brought in the Covid 19 virus. They were not the ones who traveled overseas and brought the virus to our shore. They merely came to Singapore to do jobs that we Singaporeans do not want to do and now they are paying for the irresponsible behavior from many of us.

ここで「彼らはシンガポールに金を稼ぎにやってきた」「自分で選んでやってきた」「自己責任」ということは実はとても簡単なことである。彼らは社会的弱者であり投票権もなくお金もなく、彼らの母国は発展途上国である。でもシンガポールはそうしなかった。

Lee Hsien LoongのFBの4月16日のコメントをみるとどのようにシンガポールが外国人労働者を位置付けたのかが分かる。彼らを「シンガポールへの貢献者」として位置づけ、我々は感謝を示すべきだと。

Foreign workers have helped us to build HDB towns, MRT lines, airports and ports. Some man midnight shifts in our factories. Others take care of our sick and elderly in hospitals and nursing homes. Hundreds of thousands of Singapore households depend on domestic workers from neighboring countries.

We are grateful for their contributions, and for their understanding and cooperation as we tackle COVID-19. We will work with them, especially those living in the dorms, to see through this difficult period.

そして昨日発表された支援策がこちら。

  • 政府は外国人労働者の給与が支払われるようにする
  • 母国に送金できるようにする
  • 家族や友人と連絡を取れるようにする
  • ラマダンの期間、ムスリムの労働者に配慮する

「外国人労働者の感染数の増大」

これをどう捉えるのか。

文化が引き起こしたのか、住環境が引き起こしたのか、自己責任なのか、社会に責任があるのか、貢献者なのか、単なる労働者なのか。

切り口によって全然政策が変わってくるが、シンガポールは彼らに感謝し公的に支援することを決めた。その背景にはヘイトが多数派になることを許さない国民の声がある。

シンガポールという国のモラルの厚みを見た気がする。

 

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